オフィス・店舗等 事例
鳥取県米子市の皆生温泉に建つ海辺のホテル。基本コンセプトの「お客様と皆生の自然が交わるホテル」のとおり、弓ヶ浜に面した立地を最大限に活かしています。
限られた予算内で高いクオリティを実現するために、オーナー様、設計、施工が一体となり、良心的な価格設定ながらも贅沢な時間が過ごせるホテルが完成しました。
皆生の自然を引き立てる額縁のような存在でありながら、商業建築において重要である、周囲の風景に馴染みすぎないことを目指しました。
外壁は右から、焼き杉、銅板、大矢石、なまこ壁をモチーフにしたものとしており、最後のなまこ壁は白と黒の部分をあえて反転させています。時間の経過とともに味の出るものにしたい、という思いから選んだ素材です。
1階部分にはピロティを2か所設け、建物の向こう側にある海へ視線が抜けるようにしています。これによりスパ、フロント、レストランなどのゾーンが分かれていますが、各施設が行き来しやすいようにも配慮しました。
日が沈むと、規則的に並ぶ窓や大きな開口から温かい光が浮かびあがり、ホテルの存在をアピールします。
海に面した開放的なフロントは、時間帯によって全く雰囲気が異なります。
和のイメージは時として地味な印象を持たれることもありますが、館内全体に複雑な間接照明を配置することで、贅沢な空間づくりに成功しました。
多くの客室は、美保湾に面して配置されています。海側の客室では、大きな窓から一面の海が広がります。セミスイートタイプの客室は、ベッドルームからもリビングルームからも皆生の海を一望できるくつろぎの空間です。
ラグジュアリーな時間を過ごせる、展望風呂付きの客室。独立したバスタブが、特別感を演出しています。
畳敷きの小上がりがあるタイプの客室では、掘りこたつ式に足を入れられるようにしています。ゆったりくつろぐだけでなく、資料などを広げたいビジネスユースの方にも、ライティングデスクとして便利に使っていただけるスペースです。机を掘りこたつ内に収納して床をフラットな状態にできるので、エキストラユースにも対応できます。
海側の客室からは美保湾を、市街地側の客室からは米子市内を見渡せます。
車いす使用者の方等に配慮した広々とした室内には、手すりや広いスペースを確保した浴室を備えています。
スパだけの利用もできるので、ホテルのフロントとは別に、温泉の入口を設けています。風呂桶を模したディスプレイが、期待感を高めます。中に入ると、明るい木目を使った和の空間が広がります。
内湯には、御影石の大浴槽やサウナ、寝湯、樽の浴槽等を配置。間接照明を効果的に使い、癒しの空間を演出しています。
男湯と女湯それぞれに、海に向かって開かれた展望露天風呂を配置しています。
眺望や波の音、ヒノキの香り、ルーバーから漏れる自然光に、日ごろの疲れも癒されます。
ガラス部分はマジックミラーとして、外からは見えないようにしました。