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対談

ベイサイドスクエア皆生ホテル編 vol.7

完成後のその先を見つめるホテル

スクエアプラスの良いところ、悪いところ。

では最後にスクエアプラスのいい点、悪い点をきかせてください。
まずは改善すべき点はありますか?

中島社長
FFE(部屋内などに置かれている備品などのことを指します。)の選定の仕方ですね。運営してみないとわからない点ではあったとしてもこのあたりのアフターケアについてはもう少し力を入れた方がいいのではないかと思います。
FFE以外にも細かい部分では運用に入った後でいろいろあるんです。
スクエアプラスさん以外の業者さんの経験値ということもあるんでしょうけど、この点もう少し業者間で連携することも大切だと思いますよ。
木下稔
了解いたしました。その点は改善していきます。
中島社長
あとはお客様の感想待ちの部分がありますね。
話にでも出た風の強い廊下の件などがその例です。クレームとかそういうことではなくて経験してみないとわからない部分なんですが、デザイン性と機能性がその場の気候や風土といった状況において、時に共存しえないということがあるということ。そのことがお客様に不都合に起こすという問題といったところを考慮した方がいいだろうということですかね。
木下稔
アドバイスありがとうございます。

ではスクエアプラスの良い点は?

中島社長
一番はやはり予算計画内でホテル建設を終わらせてくれたこと。これに尽きます。 予算内で計画を遂行することは例えば宿泊料などすべてに影響を与えます。
クオリティを維持しながら市場価格で宿泊料を設定しなければならない。これが実現できるのもすべて予算内で完成できたからなんです。
木下稔
予算の面ではマスイさんのおかげの部分も大きいです。
人間関係も含めた気持ちの部分でのつながりがあって初めてこの建設は完成することができたと思うんです。
中島社長
彼らの工事中やその後の対応を見ても気持ちの部分を強く感じます。

やはりこれだけ大きな建築物を建てるということは大変なことなんですね。

中島社長
まあ、ケンカしながらもかなり厳しい予算内で計画が完了したというのも、この計画に参加してくれた皆さんが同じ方向を見て仕事していたからだと思います。それ以外ないですよね。
20,30年後のこのホテルは僕らが立てたんだという誇りが持てるような仕事、自分としてはそれをしていただきたかったんです。

では、最後にこれから商業建設を行う方々にメッセージがあればお願いします。

中島社長

譲るところは譲りながら、自分の絶対に譲れない部分は決められた予算の中で実現できるようにする。そのためには施主・設計・工事の三者が意思のすり合わせをできるようにすること。それが想定したものを作る近道であり、もっとも利益を生むことになるんです。

終わってみればいろんな意見を言われる方はいるんです。それもまた一つの意見なのですが、いろんな意見を聞けば聞くほど失敗も多くなるんですよ。
だからある程度自分が譲れない部分はしっかりと意見を言って、また意見が合わない部分においては商売なのだから自分の意見も含め、どの意見がもっとも利益が多いのか客観的に判断する。 そうしていけば、すべて自分の決断した意見ですから結果に納得できるんですよ。

そして10年先には当然改装の必要性も出てくるということも念頭に置くべきです。つまり、完成したその先を見つめて建設する必要性も忘れてはいけません。安いからといって短絡的な構造にしてしまえば後の改装の時にとんでもない手間や費用がかかることだってある。

今いいものを作るということも大切ですが、特に設備面に関して言えば完成後のメンテナンスのこともちゃんと考慮する。そういったことを忘れないでください。

ありがとうございました。

対談後記

4時間にも及ぶロングインタビューでしたが、掲載できなかったエピソードも含め、とても面白い話をたくさんうかがうことができました。
物事を即決するタイプではない中島社長の決断はとてつもなく重みがあって、この決断の重みによって、参加したすべてのスタッフが同じ方向に向かって仕事できたのではないかと思いました。

スクエアプラスの改善すべき点についても敢えて語っていただきました。生の声をきけるのは有難いことですので、しっかりと受け止めさせていただき、今後に活かしていきたいと思います。

インタビュー後、ベイサイドスクエア皆生ホテルに1泊させていただきましたが、お風呂はなんと二階建て。熱いお湯が苦手な自分でも長時間入れる塩湯などがあり、また来てゆっくり滞在したい!と強く思えるようなホテルでした。

食事風景

●海潮園でお食事を頂きながらのインタビューでした。