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対談

たけうち耳鼻いんこう科編 vol.5

目指すのは同業者に認められる医院

時間をかけて診察したいという想いを形へ

どういう意識を軸に設計を組み立てるのでしょうか?

木下稔

設計士というのは平面の図面を書きながら、イメージとしては立体のものを描いています。仮に設計図の段階であっても先を見越して石井と私の間の話し合いを行っており、私の方から相当厳しいダメ出しを行っています。

同時に患者さんや先生自身が医院をどう思うか、また先生らしさがどう見た目に反映されているかは図面の段階では施主様にあまり興味を持たれないこともあり、また思った以上に鋭い意見をいただくこともある。そういう専門家ではない人の意見というのは時に恐ろしく、そういったことも考慮すると設計には手を抜けないんです。

そういう状況の中で石井自身平屋でこれだけ大きな規模の医院の設計なんてしたことありませんでした。ですから石井自身相当もがいて設計するに至っているんです。それでもやっぱり私の目からみれば恐る恐る設計している印象がありましたから、(これだけの規模の建築物では細部の微妙な変化は意味をなさないという意味で)何をやるにせよもっと大胆に、ということは石井に何度も指示しましたね。

結果的に出来上がったたけうち耳鼻いんこう科を見てみると、ある程度勢いを重視して作業する私と、石橋を叩いて渡る性格の石井が設計をしたことで、同じく心の中で強い意思持っていながら、緻密な計算もしているといった2つのキャラクターが同居している竹内先生の印象を建物自身に反映できたかなと考えています。

竹内先生
そこまで性格を読まれていたとは。(笑)
木下稔
2つのキャラクターをそのまま表現するだけではなく、石井が持つやさしさというものが継ぎ目を埋めることで結果的にとてもいい形になったと思います。
患者さんの一人でも二人でも、そういった印象を持っていただければ、我々とすれば先生に対して初めていい仕事ができたと言えると思います。
石井室長
私から見た先生の印象ですが、先生は当初から時間をかけて診察をしたいという想いを語っていらっしゃいました。ですからこの先生は本当に患者さんのことを考えていらっしゃるんだなという印象を強く感じていました。
だから常々建物に患者様を不安にさせる要素があってはならないと考えた上で、院内には「自然な印象のもの」が多く配置されています。
患者さんがリラックスして診察を受けることができることはもちろん、先生自身にも仕事の合間にオンオフ切り替えていただいてリラックスしていただけるよう配慮しました。
木下稔
ところで院長席のパソコンがこれだけ存在感があるとは思っていませんでしたね。(※院長席には3つほどパソコンが配置されている。)診察室にはユニット(診察・治療用の機械)もあって威圧感があるかと思っていました。
今日の段階でまだ診察室にカーテンがつけられていませんが圧迫感を考えればカーテンがない状態もいいかもしれませんね。
竹内先生
いや、でもカーテンはつけてくださいよ。(笑)
石井室長
先生の視点から見て、患者さんが座る治療ユニットがあり、大きなスペースの先にガラス。そのガラスの向こうに植栽が見えている状態です。その状態でユニットとガラスはカーテンで仕切られる予定です。(※カーテンはかなり長い横幅を持っています。)
この時使用されるカーテンはレースのカーテンを二重にする構想でして、1重/2重はもちろんカーテン自身を弛ますことで視線の先の透け感は異なります。状況に応じてカーテンの状態を変更していただくことで、少しでも気分転換になるのではないかと思いますよ。